ビジネスモデル分解シリーズ第3弾です
前回のリネット編では中の人であろう方にツイートしていただいて、斜的としてはぷちバズでした。一般的なバズと比べたらダメですよ。普段よりちょっぴり多く見られたぐらいです。
いや~ありがとうございます。嬉しいです!
すごく丁寧に調べて頂いた
ビジネスモデルを分解「洗濯のリネット」編 – 斜的観測 https://t.co/9hsuy7Ty1s— はるぽ。 (@harupo1109) 2016, 1月 29
さあ、今回はラーメンECの宅麺を分解してしまいましょう。
宅麺とは
ラーメンのeコマース事業
グルメイノベーション株式会社
設立:2010年
資本金:1億455万円
代表取締役:井上 琢磨
井上氏は創業期のサイバーエージェントへ入社。その後アフィリエイト広告を取り扱う子会社トラフィックゲートの立ち上げに関わった。
楽天とトラフィックゲートが合併となり、2009年に売上60億、従業員は100人弱。上場直前までいったが、楽天の方針転換により楽天の100%子会社となった。その後、会社を退社。
設立パートナーである野間口氏と宅麺のビジネスアイデアを実現するべく、グルメイノベーション株式会社を設立した。
ラーメンの市場規模は5,500億、全国のラーメン店は約3万店舗
ラーメンの市場規模ってこんなに多かったんですね。多分これはラーメン店ということで、ラーメン以外のメニューも含まれているようです。店舗もかなり多く、ラーメン店は比較的参入障壁が低いようです。ただ、新規にオープンした4割が1年以内に閉店するようですので、それだけ新陳代謝が激しい業界のようです。
宅麺のビジネスモデル
店舗で提供しているラーメンをそのままの品質でお取り寄せできるサービス
店舗で作っているスープや具材、ゆでる前の麺をそのまま専用キットに冷凍パッケージするため、お店の味そのままを自宅にいながら楽しめます。
一見 単純そうだけど、なかなか真似できないビジネスモデルですね。
これはラクスルの非稼働時間を活用するタイプに通ずるものがありますね。
人気ラーメン店といえども、従業員の空き時間があったり、スープが残ったりしますよね。そのリソースを宅麺は上手く活用し、店舗に冷凍してもらうことで、無駄を無くしている。
店舗だけだと売上の限界がありますが、その限界をさらに超えることができますね。
しかも自分たちでネット販売すると大変な手間ですが、それを委託できるんですから店舗側としてもメリットがあります。
提携店舗もどんどん増えるでしょうね。ただ、それでもラーメン店って頑固親父のイメージありますから、口説き落とすのが大変そうです。
お弁当宅配のごちクルと少し似てますよね。
ごちクルは普段お弁当の販売などやっていない有名店にお弁当をつくってもらい、宅配・販売部分はごちクルが担うというビジネスモデルですね。
地方のおみやげ店などで売っている地元で有名な◯◯ラーメンはインスタントですが、宅麺は実際に店で出しているものを冷凍しているので、より本格的なものが自宅で食べられる。
ネットショップではいままでになかった、”店舗で食べるものに限りなく近いラーメン“ということで他とは差別化できてますね。
宅麺はどんな問題点を解決しているか
店舗側
- 空き時間、残ったスープなどの無駄な部分
- 売上に限界がある
ユーザー側
- 有名店に並ばなくても自宅で食べれる
- 自宅でおいしいラーメンが食べたい
ラーメン店の行列って比較的若い方が行列に並んでるイメージありますよね。
女性とか、お年寄りは入りにくいと思うので、ターゲットとしてはそのあたりを狙っているんでしょうか。
宅麺ビジネスの第一のハードル
宅麺参加店舗の勧誘
店舗獲得は、まず飛び込みのテレアポから始まる。「5分でいいから聞いて下さい」と。飲食店の経営を10年やってきた経験から、野間口さんは店主にとっての時間の大切さが分かっていた。最低限のことを5分で伝え、必要があれば次にまた5分。1回で話がまとまるところもあれば、何回も説明を重ねたところもあったそうだ。
いや~この営業活動はハードルが高そうですね。宅配クリーニングのリネットもかなり苦労していましたが、ラーメン店も大変そうです。
やはり、新規ビジネスでアイデアはあっても、この営業ができるかどうか、が鍵ですよね。
次のステップは、スープを一度凍らせてもらうことである。凍らせると味が大きく変わるという先入観を持つ店主は多い。
「自分のラーメンのスープを凍らせることに対するハードルが異常に高くて、怒り出す店主や電話を切る店主も結構いました。命の次に大切なスープを凍らせるわけですからね。」
そうですよね。わたしも一度冷凍すると味が落ちると思っていましたが、そんなには変わらないようです。ほんとラーメン店って頑固親父ですね。というか味に絶対的にこだわりを持っているから冷凍なんてもってのほかなんでしょう。
しかし、1度テストで冷凍したものを食べてみるとあれっ案外いけるなってことでOKがでるようです。
有名店に参加してもらったことで、◯◯店がやっているならうちもやろうかなと参加してくれる店舗が多くなっていったよう。現在では100店舗以上も契約しているようですね。すごいです。
宅麺のマーケティング
これはおもしろいなーと思ったんですが、
「お腹が減った」と渋谷でツイートした人を見つけると、「宅麺食べにおいてよ」とオフィスに呼んで宅麺を振る舞っていたそうだ。そんなリプライにも臆せずやって来た人には、面白い人やインフルエンサー的な人が多く、その様子がまたTwitterで拡散されていった。
いや~ほんとにおもしろいですよね。今風なマーケティングですw
でも、費用対効果はよさそうです。
クラウドファインディングでもラーメンフェスティバルという企画で100万円以上集め、話題作りに成功したようです。
宅麺の海外展開
以前、堀江さんがビジネスモデルをジャッジする番組で宅麺のビジネスモデルは儲からないと一刀両断されていました。5年で50万食の販売で1食あたり粗利が100円だとしたら、5000万しか粗利がでていないと。
その時に井上氏は今後は海外展開に力をいれていくと言っていて、堀江さんもそれは化ける可能性があると言っていました。
シンガポールに店舗をつくり、ラーメンを現地でスープから作っている。
冷凍したものを日本から持って行っていると勝手に想像していましたが、違うんですね!
数種類のラーメン店が集まったラーメン博物館のように、1店舗で6種類もの味を食べれるようです。
これは提携店舗に実際のレシピを教えてもらい、ロイヤリティを支払う仕組みだそう。
ん~海外に実店舗を作っちゃうのが、おもしろいですね。
個人的に思うこと
海外展開もいいんですが、わたしは国内で、まだまだ伸びると思ってます。
しかし宅麺のターゲットってなかなか難しいんですよね。若い人は店に食べに行けば良いわけだし。東京のあの有名店のラーメンが取寄せしてでも食べたいというニーズは少ない気がします。
そこでお年寄り向けのラーメンをオススメしたいですね。しかも業務用で。
まずお年寄りってラーメン食べれない方が意外と多くて、それは糖尿病とか歯が悪いとか、カロリーを気にしていたり、なんですよね。
そういった方でも食べれるあっさりしたラーメンを10人分、20人分セット販売で、老人施設に営業なんてどうでしょうか。
まとめ
宅麺のビジネスモデルを応用するとすれば;
- まだネットショップがない商品ジャンルを探しだす
- 希少性のある店舗をまとめて何かできないか考えてみる
これは意外に探せば見つかるんじゃないでしょうか。
飲食でいうと、有名和食料理店の惣菜を1週間分とか1ヶ月分の献立を冷凍して販売するとかどうかな。
これらのことを頭の片隅に置いておけば、いざ新しい情報をインプットしたときに点と点が繋がり、あらたな組み合わせのビジネスアイデアが浮かぶことを願っています。
この記事はわたくし個人の見解が多く入っているので、間違った情報があったら連絡いただけると修正いたします。
さあつぎはどこの企業をしらべようかな~。
今日のななめ
そういや鉄腕ダッシュのTOKIOのラーメン完成してたよね
宅麺で売ってくれないかな〜。いま日本で一番売れるラーメンってあれだよね。
関係者のみなさんどうかお願いしますw
参考URL
宅麺
http://www.takumen.com/(アクセス日:2016/2/13)
TECHWAVE
ラーメンは世界に通じるコンテンツ – 宅麺急成長の背景と今後の展開【本田】
http://techwave.jp/archives/51739382.html(アクセス日:2016/2/13)
モッピージョブ
ラーメン×ITで狙うは世界市場―宅麺から視る飲食業界の未来 ―
http://mpjob.jp/careergroove/%E4%BA%95%E4%B8%8A%E7%90%A2%E7%A3%A8/(アクセス日:2016/2/13)
FOODIST
閉店したラーメン店、4割がオープンから1年以内に営業終了。飲食店で閉店しやすい業態とは?
http://www.inshokuten.com/foodist/article/611/(アクセス日:2016/2/13)